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簡易トイレは凝固剤と吸水シートどっち?処理方式と使いやすさで比較

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断水時に使う簡易トイレを探すと、「凝固剤をあとから入れるタイプ」と「吸水シートが袋に付いているタイプ」が見つかります。どちらも排泄物の水分を処理するためのものですが、使うときの手順は同じではありません。

凝固剤タイプは、便袋へ排泄したあとに凝固剤を振りかけます。吸水シート一体型は、袋の中に吸収材があらかじめ組み込まれているため、排泄後に別体の凝固剤を入れる操作がありません。

選ぶときは「どちらがよく固まるか」だけでなく、1回使うたびに何をするのか、使用済みの袋をどう閉じて保管するのかまで比べると、自宅で使いやすいタイプが見えてきます。

目次

今回比べるのは、便器に袋をかぶせて使う「携帯トイレ」

一般には「簡易トイレ」と検索されることが多いものの、今回扱うのは、断水や排水不可となった洋式便器などに便袋を取り付けて使う袋タイプです。

日本トイレ研究所の「災害用トイレの特徴」では、このタイプを「携帯トイレ」とし、吸水シートを使うタイプと、粉末状の凝固剤で水分を安定化させるタイプがあると説明しています。

内閣府の「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(令和6年12月改定)でも、携帯トイレは既存の洋式便器につけて使う便袋タイプで、吸水シートや凝固剤によって水分を安定化させるものとして整理されています。

つまり、「凝固剤か吸水シートか」は便座そのものの種類ではなく、便袋の中の排泄物をどの形で処理するかの違いです。

なお、必要な備蓄回数の計算は、この記事の主題ではありません。1回使うときの手順、袋の構成、使用後の扱いやすさに絞って比較します。

凝固剤1台・吸水シート2台を、処理手順から比べる

処理方法の違いが分かる3製品を取り上げます。

  • 凝固剤を排泄後に入れる:アイリスオーヤマ BTS10-50
  • 吸水シートが本体袋と一体:アイリスオーヤマ STG-20
  • 吸水シートが便袋と一体:総合サービス サニタクリーン 簡単トイレ20枚入 BS-140

次の表で見たいのは、「どれが一番よく固まるか」ではありません。使用前に何をセットし、排泄後に何を追加し、最後に何を閉じるのかを見比べるための表です。

モデル吸収材の方式排泄後の主な処理セット内容
アイリスオーヤマ BTS10-50別体の凝固剤凝固剤を振りかけて汚物袋を結ぶ凝固剤50個・汚物袋55枚・防臭袋12枚
アイリスオーヤマ STG-20吸収シート一体本体袋を外して口を結び、防臭袋へ本体袋20枚・便器袋4枚・防臭袋4枚
サニタクリーン BS-140吸水シート一体便袋を閉じて処理サニタクリーン便袋20枚

BTS10-50には、排泄後に凝固剤を入れる工程があります。STG-20とBS-140は吸収シートが袋に組み込まれているため、使用後に別体の凝固剤を振りかける必要はありません。

ただし、吸水シート一体型なら使用後の保管まで全部同じ、という意味ではありません。STG-20には防臭袋が付属しますが、BS-140のセット内容はサニタクリーン便袋20枚です。使用済み便袋をどう保管し、回収・処分までどう管理するかは、別に確認する必要があります。

続いて、備蓄するときの違いです。

モデル回数・枚数パッケージの目安保管・保証の目安
アイリスオーヤマ BTS10-5050回分約26.5×19.2×7.5cm/約1.5kg15年(工場出荷時点で確保)
アイリスオーヤマ STG-20本体袋20枚約28×34×7cm/約1.1kg10年(未使用・未開封)
サニタクリーン BS-140便袋20枚約28×32×8.5cm/約1.2kg保証期間7年

BTS10-50とSTG-20の保存年数、BS-140の保証期間は、メーカーの表現が異なります。同じ意味の期限として単純比較はしません。買ったあとにいつまで保管するつもりなのかを決め、各メーカーの表示に合わせて管理します。

50回分を凝固剤と袋のセットで備えるなら|アイリスオーヤマ BTS10-50

アイリスオーヤマの「非常用トイレセット 10g 50回分 BTS10-50」は、凝固剤を排泄後に振りかけるタイプです。

50回分のセットには、凝固剤50個、汚物袋55枚、防臭袋12枚が入っています。アイリスオーヤマ公式楽天市場店では、凝固剤は1回分10gで、使用後は排泄用の汚物袋の口を結び、防臭袋へ入れる手順が案内されています。

防臭袋1枚につき約5回分をまとめる目安も示されています。メーカーの商品情報では使用期限を15年とし、アイリス工場出荷時点で15年の保管期限を確保するとしています。50回分のパッケージサイズは幅約26.5×奥行約19.2×高さ約7.5cm、重量は約1.5kgです。

凝固剤と便袋が別々なので、排泄後に「凝固剤を1回分入れる」という操作は自分で行うことになります。

一方で、50回分の処理剤・汚物袋・防臭袋を一つのセットで備えたい場合は、必要なものをまとめて確認しやすい構成です。

凝固剤を振りかける操作を減らしたいなら|アイリスオーヤマ STG-20

アイリスオーヤマの「非常用トイレ袋 吸収シート一体タイプ STG-20」は、本体袋の中にポリマー入りの吸収シートが一体化されたタイプです。

セット内容は、本体袋20枚、便器袋4枚、防臭袋4枚です。便器と便座にそれぞれ便器袋と本体袋をセットし、排泄後は本体袋を取り外して開口部を結び、防臭袋に入れて処理します。

吸収シートがあらかじめ付いているため、排泄後に別体の凝固剤を取り出して振りかける工程はありません。アイリスオーヤマは、宮城県との共同開発で、幅広い年齢層や認知症の方にも使いやすい商品設計を目指したと説明しています。

本体袋と便器袋は約幅650×高さ550mm、防臭袋は約幅500×高さ700mmです。使用期限は、未使用・未開封の場合で10年とされています。

凝固剤の袋を開けて量を確認したり、排泄物へ振りかけたりする操作を減らしたい場合に、比べやすいタイプです。

吸水シート一体の便袋だけを補充したいなら|サニタクリーン BS-140

総合サービスの「簡単トイレ 20枚入 BS-140」は、吸水シートが便袋に一体化されたサニタクリーンシリーズのスペア袋です。

メーカー公式ページでは、サニタクリーン便袋20枚入りで、パッケージは約幅280×高さ320×厚さ85mm、重量は約1.2kgとされています。

総合サービスの「よくあるご質問」では、サニタクリーン便袋は1枚で成人の尿1~2回分を吸収できるとしながら、衛生面を考えて1回ごとの交換を勧めています。保証期間は、購入から7年間が目安です。

BTS10-50のような別体の凝固剤や、STG-20のような防臭袋とのセットではありません。吸水シート一体型の便袋だけを20枚補充したい場合に、内容が分かりやすい製品です。

使用済み袋の一時保管や臭気対策まで考えるなら、便袋とは別に、保管方法や外袋をどうするかも決めておきます。

凝固剤と吸水シートの違いは「排泄後に1工程あるか」で見る

凝固剤タイプと吸水シートタイプの違いを、1回使う流れで整理します。

BTS10-50では、次の流れになります。

  1. 便座を上げ、便器に汚物袋を1枚かぶせる(便器カバー用)
  2. 便座の上に汚物袋をもう1枚かぶせる(排泄用)
  3. 排泄後、凝固剤を1回分振りかける
  4. 排泄用の汚物袋を取り出して口を結ぶ
  5. 防臭袋へ入れる

STG-20では、吸収シートが本体袋に組み込まれているため、排泄後に別体の凝固剤を入れる操作がありません。便器袋と本体袋をセットし、使用後に本体袋を外して口を結び、防臭袋へ入れます。

BS-140も、吸収シートが便袋に一体化されています。別体の凝固剤を振りかけずに使えますが、セット内容は便袋20枚なので、使用後の保管方法は別に決めておきます。

「吸水シート=処理が不要」ではなく、「別体の凝固剤を入れる工程がない」と捉えるのが正確です。どのタイプでも、使用後には便袋を閉じ、回収・処分まで保管する必要があります。

非常用トイレを排泄後の手順と袋の構成、使用後の保管から選ぶ図解

暗い時間や慣れない状況で、凝固剤を取り出して使えるか考える

平時なら、凝固剤の小袋を開けて振りかける作業は、難しく感じないかもしれません。

ただ、断水が起きた直後は、照明が十分でない、家族が続けてトイレを使う、普段と違う手順に戸惑うといった状況も考えられます。

夜中の断水。トイレを1回使ったあと、何をする?

たとえば夜中にトイレを使う場面では、次のような操作が続きます。

  • 袋を便器へ取り付ける
  • 排泄後に凝固剤を探す
  • 小袋を開ける
  • 中身を振りかける
  • 使用済み袋を閉じる

この手順を負担に感じそうなら、吸水シート一体型を候補にできます。

逆に、この操作を問題なく行えて、50回分の凝固剤・汚物袋・防臭袋を一つのセットで管理したいなら、BTS10-50のような凝固剤タイプも選択肢になります。

「凝固剤かシートか」は、吸収性能の優劣ではなく、非常時に自分や家族が迷わず処理できるかで考えます。

吸水シート一体型でも、便器にかぶせる袋の構成は同じではない

「シート一体型」と書かれていても、セットの中身は製品ごとに違います。

STG-20は、便器袋4枚、本体袋20枚、防臭袋4枚という構成です。便器側を覆う袋と、排泄物を受ける本体袋が分かれています。

BS-140は、吸水シート一体のサニタクリーン便袋20枚です。メーカーはスペア袋として位置づけています。

そのため、吸水シートタイプを選ぶときも、次の点を確認しておくと、購入後の不足を減らせます。

  • 便器を覆う袋が付くか
  • 使用する本体袋は何枚か
  • 防臭袋が付くか
  • 使用済み袋をまとめて保管する用品を別に用意するか

「20回分」「20枚入り」という数字だけでは、同梱されている袋の役割までは分かりません。

ゴミの量・臭い・回収まで考えることは、どちらの方式でも共通

凝固剤と吸水シートのどちらを選んでも、使用後の便袋は残ります。

日本トイレ研究所の「災害用トイレの特徴」では、携帯トイレは使うほどゴミが増えるため、保管場所、臭気、回収・処分方法の検討が必要だとしています。

内閣府の「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(令和6年12月改定)でも、携帯トイレについて、使用済み便袋の保管場所の確保、回収、臭気対策の検討が必要としています。

そのため、次のように一律には決められません。

  • 凝固剤で固めれば保管方法を考えなくてよい
  • 吸水シートなら臭い対策が不要
  • 使用後は必ず可燃ごみに出せる

実際の廃棄方法は、災害時の自治体の案内に従います。商品を買う段階から、処理剤の方式だけでなく、防臭袋の有無や使用済み便袋を置く場所まで決めておくと、備えが具体的になります。

使用期限だけでなく「袋と処理材を同時に点検できるか」も確認する

長期備蓄では、処理材だけでなく便袋もセットで使います。

メーカーが示している期間は、BTS10-50が使用期限15年(アイリス工場出荷時点で15年の保管期限を確保)、STG-20が未使用・未開封で10年、サニタクリーンが保証期間7年です。

ただし、これは同じ基準の「賞味期限」のような数字ではありません。メーカーごとに表現も保証条件も違います。

保管時には、次の点を一緒に確認します。

  • 処理材の期限・保証期間
  • 便袋の枚数
  • 防臭袋の枚数
  • 外装に破損がないか
  • 実際に使うトイレの近くへ取り出せるか

凝固剤だけ買い足して便袋が不足する、便袋だけ残って防臭袋がない、という状態を避けるには、「処理剤」ではなく「1回使うために必要な一式」として点検すると分かりやすくなります。

買ったら1回分だけ、便器へのセット方法を確認する

非常用トイレは、箱を開けずに長期保管したくなる用品です。

ただ、災害時に初めて説明を読むよりも、平時に使用方法を確認しておくほうが、便座へどの袋をかぶせるのかを理解しやすくなります。

未使用の状態で、次の点を確認しておきます。

  • 便器を覆う袋と排泄用の袋を見分けられるか
  • 凝固剤はいつ入れるのか
  • 吸水シートが袋のどこにあるか
  • 使用後にどこを結ぶのか
  • 防臭袋や保管袋をどこへ置くのか

実際に1回分を試した場合は、その分が備蓄数から減るため、補充して備蓄数を戻しておきます。

「凝固剤」「吸水シート」という名前だけを覚えるのではなく、箱を開けてから使用済み袋を閉じるまでの手順を理解しておくことが、非常時の使いやすさにつながります。

まとめ|凝固剤か吸水シートかは「使う手順」と「袋の構成」で選ぶ

凝固剤タイプと吸水シート一体型は、どちらも断水時の便袋内の水分を処理するための方法です。

選び方は、次のように整理できます。

  • 排泄後に凝固剤を入れる手順があっても、50回分を凝固剤・汚物袋・防臭袋のセットで備えたい → 凝固剤タイプ
  • 排泄後に別体の凝固剤を振りかける操作を減らしたい → 吸水シート一体型
  • 吸水シート一体の便袋だけを補充したい → 便袋単体タイプも確認

どちらを選んでも、便袋の枚数、防臭袋の有無、使用後の保管場所、自治体の回収・処分方法まで考える必要があります。

最初に決めるのは「どちらがよく固まるか」ではなく、自分や家族が非常時に迷わず処理できる手順かどうかです。そのうえで、セット内容と保管期間を確認すると、自宅に合う携帯トイレを選びやすくなります。

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この記事を書いた人

防災用品を、住まい・人数・困りごと・予算などの条件から比較しています。官公庁・メーカー公式情報などの一次情報を重視しています。

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