MENU

防災用モバイルバッテリーはどう保管する?高温・充電残量・点検の注意点

防災用のモバイルバッテリーは、充電して防災リュックに入れたら終わり、という備え方では不十分です。

高温・直射日光・強い圧力を避けられる場所で保管し、充電残量や本体の状態を定期的に確認することで、停電時に使える状態を維持しやすくなります。長期保管時の充電残量や点検方法は、自分の製品の取扱説明書やメーカー公式情報を確認することが前提です。

これから防災用のモバイルバッテリーを購入する人は、『防災用モバイルバッテリーは何mAh必要?スマホの充電回数から容量を選ぶ』で、スマホの充電回数から必要な容量を確認できます。

目次

防災リュックに入れっぱなしで終わりにしない

モバイルバッテリーは、使っていない間も少しずつ残量が減っていく自己放電という性質を持っています。防災リュックに入れた日の残量のまま、何年も置いておけるわけではありません。

Anker Japanは、残量が0%の状態のまま長期間放置すると過放電となり、最終的に充電できない状態まで劣化する場合があると案内しています。

防災用として意味を持つのは、リュックに入れた瞬間の状態ではなく、次に取り出すときに使える状態を保てているかどうかです。そのためには、入れた日を記録するだけでなく、次に残量や外観を確認する日を先に決めておく必要があります。

保管場所は「リュックの中」より、リュックをどこに置くか

経済産業省『リチウムイオン蓄電池搭載製品の事故に気をつけましょう!』では、リチウムイオン蓄電池が強い衝撃や圧力によって損傷し、発熱や発火につながる場合があること、衝撃を受けてから時間が経ってから発熱・発火することもあることが案内されています。モバイルバッテリーを落としたり、かばんの奥底に押し込んだりしないよう注意し、高温・直射日光を避けることも挙げられています。

真夏の車内や、直射日光が当たる窓際は、短時間でも高温になりやすい場所です。防災リュックそのものを安全な場所に置いているつもりでも、そのリュックを車のトランクや窓際の収納に置いていれば、中のモバイルバッテリーは高温にさらされます。保管場所を考えるときは、モバイルバッテリー単体ではなく、リュックや収納ボックスをどこに置くかまで含めて考える必要があります。

強い圧力についても同様です。防災リュックの中で、水や食品など重い備蓄品の下敷きになるような詰め方をすると、モバイルバッテリーに圧力がかかり続けます。取り出して点検できる位置に置き、重い物に押しつぶされない収納を意識してください。

「100%で保管」が防災用の正解とは限らない

「災害がいつ来るか分からないのだから、常に満充電にしておいたほうがいいのでは」という考えは、自然な発想です。停電時にすぐ使える残量を確保しておくことは、防災用途として重要な視点であり、間違いではありません。

一方で、長期間にわたって満充電の状態を保ち続けることについては、劣化が進みやすくなるとメーカーが案内しています。エレコムは、満充電のままの長期保管について、劣化だけでなく膨張や発熱の原因にもなり得ると案内しています。満充電だから危険と単純に考えるのではなく、長期保管時の劣化を抑えるために、メーカーが推奨する残量を確認します。

同時に、残量が0%の状態で長期間放置することも、過放電による劣化につながるとAnker Japanは注意を呼びかけています。つまり「100%で放置」と「0%で放置」のどちらも、長期保管としては避けたい状態です。長期保管時の電池劣化を抑えることと、災害時に使える残量を確保しておくことは、完全に同じ目的ではないため、両方を踏まえたうえで、自分の製品のメーカー案内に従う必要があります。

長期保管の残量は50〜80%が2社の目安、点検間隔は異なる

長期保管時の充電残量や点検の頻度について、公式案内は一律ではありません。エレコム『【決定版】モバイルバッテリーの保管方法|安全に長持ちさせる完全ガイド』と、Anker Japan『モバイルバッテリーに関するよくある質問』が案内している例を見ると、次のようになっています。

公式案内の例長期保管時の残量確認・再充電の案内
エレコム50〜80%防災用・旅行用のバッグに入れる場合は3〜6か月に1回、残量を確認
Anker Japan50〜80%3か月ごとに残量を50%以上まで再充電

エレコムとAnker Japanは、いずれも長期保管時の残量を50〜80%の目安としています。一方、点検の間隔は同じではありません。エレコムは防災用・旅行用のバッグに入れる場合は3〜6か月に1回、Anker Japanは3か月ごとに残量を50%以上まで再充電するよう案内しています。

2社の案内が一致しているからといって、それをすべての製品に共通する基準にはできません。自分が持っている製品の取扱説明書やメーカー公式サポートに書かれている数字を優先してください。

防災用モバイルバッテリーの保管から点検、点検結果に応じた対応までの流れを示した図解。

定期点検で見るのは残量だけではない

点検のたびに確認したいのは、充電残量だけではありません。本体の膨張や変形がないか、使用時や充電時に異常な発熱がなかったかも合わせて見る必要があります。消費者庁『リチウムイオン電池使用製品による発火事故に注意しましょう – 身に着ける、持ち歩く製品にも使用されています -』でも、強い衝撃や圧力を加えない、高温になる場所で使用・保管しない、充電はなるべく起きている時に安全な場所で行う、異常を感じたら使用を中止する、製品情報やリコール情報を確認するといった点が呼びかけられています。

リコール情報は、購入時点で対象になっていなくても、後から対象品として公表されることがあります。防災用として長期間しまっておくものだからこそ、点検のタイミングで製品名・型番からリコール情報を確認する習慣をつけておくと安心です。

異常があるモバイルバッテリーは使わない

膨張や変形、異常な発熱がある場合は使用を中止し、メーカーや自治体などの案内に従って対応してください。処分するときは、他のごみに安易に混ぜず、自治体やメーカーが案内する分別・回収方法を確認してください。リチウムイオン電池を含む製品を他のごみに混ぜて捨てることは、ごみ収集車や処理施設での火災につながるおそれがあると消費者庁も注意を呼びかけています。

防災リュックに入れたら、次の点検日も決める

モバイルバッテリーを防災リュックに収納したら、直射日光が当たらず高温になりにくい室内の場所にリュックごと置きます。

重い備蓄品の下敷きにならない位置を選び、取り出しやすい状態にしておきます。そのうえで、メーカーが案内している間隔に合わせて、次回の点検日をカレンダーに登録します。LINEのリマインくんやGoogleカレンダーなどのリマインダー機能を使うと忘れにくいです。

点検日には、残量、本体の状態、リコール情報の3点を確認し、必要であればメーカーの案内どおりに再充電します。

まとめ

防災用モバイルバッテリーは、リュックに入れて忘れるための道具ではありません。高温や強い圧力を避けられる場所に置き、自分の製品のメーカーが示す長期保管条件に沿って充電残量を管理し、次の点検日まで決めておくことで、停電時に「持っていたのに使えない」という事態を減らせます。

この記事が参考になったら、シェアしていただけると嬉しいです。
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

防災用品を、住まい・人数・困りごと・予算などの条件から比較しています。官公庁・メーカー公式情報などの一次情報を重視しています。

目次