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避難所用マットはエアマットと折りたたみ式どっち?厚さ・収納・設営で比較

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避難所や在宅避難で床に寝ることを考えると、マットは「厚いものを選べばよい」と思いやすいものです。ただ、防災用では寝るときの厚さだけでは足りません。自宅から持ち出せるか、避難先で無理なく設営できるかまで含めて選ぶ必要があります。

エアマットは小さく収納しやすい反面、使う前に空気を入れる工程があります。自動膨張式にはバルブを開けるだけで膨らむ製品がありますが、収納時の大きさと重量は見ておく必要があります。折りたたみフォーム式は空気入れが不要で、広げればそのまま使えるものの、収納しても一定の大きさが残ります。

ただ、同じ「避難所用マット」でも、収納したときの大きさ、持ち運ぶときの重さ、使える状態にするまでの手間はかなり違います。

この記事では、エア式・自動膨張式・折りたたみフォーム式を、厚さだけでは分からない「持ち出しやすさ」と「設営のしやすさ」まで含めて比較します。避難所まで運ぶなら何を優先すべきか、本文で順番に整理していきます。

目次

避難所用マットは「厚さ」だけでなく、持ち出しから設営までで選ぶ

内閣府の「避難所における避難生活支援」では、床に長期間横たわることによる健康面の問題を挙げ、段ボールベッドなどの簡易ベッドの導入を促しています。寝床については、初動では毛布や通気などで寒さ・暑さをやわらげ、その後にマットや段ボール仕様などの簡易ベッドを導入する考え方も示されています。

そのため、個人で持つマットは「避難所の寝床対策をこれ1枚で解決するもの」ではなく、避難直後や簡易ベッドが整うまでの床対策、あるいは自宅避難で床に敷く備えとして考えると整理しやすくなります。

防災用マットを選ぶときは、次の順に見ていきます。

  1. 自宅の収納場所に置けるか
  2. 避難所まで自分で持ち出せる大きさ・重さか
  3. 到着後に空気入れや組み立てが必要か
  4. 使用時に必要な幅・長さ・厚さがあるか
  5. 家族分を用意する場合、人数分を運べるか

厚さは大事な仕様ですが、避難所まで持って行けなければ使えません。反対に、収納しやすさだけで選んで、避難先での設営方法が分からなければ困ります。

エア式・自動膨張式・フォーム式は「膨らませ方」が違う

今回比べるのは、空気を吹き込むエア式、自動で膨らむ自動膨張式、空気を使わない折りたたみフォーム式の3つです。

まず、避難先に着いてから使える状態にするまでの違いを見ます。

マットタイプ設営方法使用時の厚さ
LA・PITA 防災エアーマット AIR GOLONエア式付属ストローで空気を吹き込む。別売エアーポンプも使用可5cm
キングジム 自動で膨らむ防災マット BMT100-KH自動膨張式バルブを開けると自動で膨らみ、約3分で完全に膨らむ5cm
CAPTAIN STAG EVAフォームマット56×182cm M-3318折りたたみフォーム式広げて使用。空気入れ不要2cm

この表で違うのは、厚さ5cmと2cmという数字だけではありません。

LA・PITAのAIR GOLONは小さく収納できますが、使うときには空気を入れます。キングジムのBMT100-KHは空気を吹き込む必要がなく、バルブを開けて約3分待つ方式です。CAPTAIN STAGのM-3318は空気を使わないので、折りたたんだ本体を広げればそのまま床に敷けます。

避難先で何をすれば使える状態になるかまで見ておくと、自分に扱いやすい方式を選びやすくなります。

小さく収納して持ち出したいなら|LA・PITA 防災エアーマット AIR GOLON

LA・PITAの「防災エアーマット AIR GOLON」は、膨らませると長さ190cm×幅58cm×厚さ5cmになるエアマットです。メーカーの商品ページでは、パッケージサイズは幅12.5×高さ16.5×奥行3cm、重さは約200gと案内されています。

使うときは、付属のストローから空気を吹き込みます。息を吹き込むことに不安がある場合は、別売のエアーポンプも使えるとメーカーは案内しています。

メーカー商品ページではパッケージサイズが幅12.5×高さ16.5×奥行3cmと案内されており、非常持ち出し袋の限られたスペースに入れたい人の候補になります。

ただし、袋から出してそのまま使えるわけではありません。避難先でストローやポンプを使って膨らませる工程まで含めて、自分が無理なくできるかを考えておきます。

空気を吹き込む作業を減らしたいなら|キングジム 自動で膨らむ防災マット BMT100-KH

キングジムの「自動で膨らむ防災マット BMT100-KH」は、バルブを開けると自動で膨らむタイプです。メーカーは、約3分で完全に膨らみ、厚さ5cmになると案内しています。

展開時は約195×65×5cm、収納時は直径約16×高さ63cm、質量は約1.9kgです。生地はポリエステル、内部のスポンジはポリウレタンフォームです。

AIR GOLONのように息を吹き込む作業はありません。一方で、収納状態でも高さが63cmあり、質量は約1.9kgです。避難所での設営作業を減らしたい人に合いますが、自宅から自分で運ぶなら、収納寸法と重量を先に見ておきたい製品です。

本体5か所のボタンで複数枚を連結できるため、家族や複数人で使うときにマット同士をつなげられる点もメーカーは案内しています。なお、メーカーは体育館などの屋内で使用し、屋外では使用しないよう注意しています。

空気入れを使わず広げて敷きたいなら|CAPTAIN STAG EVAフォームマット M-3318

CAPTAIN STAGの「EVAフォームマット56×182cm M-3318」は、発泡ポリエチレンとEVA樹脂を使った折りたたみ式のフォームマットです。

使用時は幅56×長さ182×厚さ2cm、収納時は約13×12.5×長さ56cmです。重量は約270gです。

空気を入れる工程がないので、避難先では広げて床に敷くだけで使えます。重量は約270gですが、収納時も長さ56cmが残ります。リュックの中へ小さく収めたい場合は、AIR GOLONとは性格が異なります。

メーカーは、キャンプや車中泊に加えて、防災マット・非常用マット・避難用マットとしての使用も案内しています。

持ち出すなら「使用時」より収納サイズと重量の差が大きい

寝るときは、どの製品も1人が横になれる長さがあります。ところが持ち出す段階になると、形も重量も大きく異なります。

製品使用サイズ収納・パッケージサイズ重量
AIR GOLON190×58×5cm12.5×16.5×3cm約200g
BMT100-KH約195×65×5cm約φ16×63cm約1.9kg
M-3318182×56×2cm約13×12.5×56cm約270g

LA・PITAのAIR GOLONは小さくまとめられるので、リュックの内部に収めることを優先する場合に向いています。キングジムのBMT100-KHは自動膨張式で設営の手間を減らせますが、今回の3製品の中では収納時の長さと重量が大きくなります。CAPTAIN STAGのM-3318は約270gですが、折りたたんでも長さ56cmが残ります。

つまり、「コンパクトなら軽い」「設営が簡単なら小さく収納できる」とは限りません。収納サイズ・重量・設営方法は、別々に見る必要があります。

避難所用マットを収納サイズ、重量、設営方法、使用サイズ、寝具との組み合わせの順で選ぶ流れを示す図解
家族3人分を避難所まで持ち出すとしたら

仮に家族3人が1人1枚ずつ持ち出すとして、マットの公称重量だけを単純に3倍すると、LA・PITAのAIR GOLONはメーカー商品ページ記載の約200gを基準にして約600g、キングジムのBMT100-KHは約5.7kg、CAPTAIN STAGのM-3318は約810gです。

これは「3人家族ならこの製品を選ぶべき」という意味ではありません。収納袋やほかの防災用品を含めない、マットだけの単純計算です。

人数分になると、1枚では見えにくかった重量差が大きくなります。収納の形も3製品で異なるため、重量だけでなく、3枚をリュック・手提げ・車などのどこに載せるかまで考えておく必要があります。

厚さ5cmなら厚さ2cmより暖かい、と数字だけで決めない

今回の3マットは、LA・PITAのAIR GOLONとキングジムのBMT100-KHが厚さ5cm、CAPTAIN STAGのM-3318が厚さ2cmです。

ただし、この数字だけで「5cmのマットのほうが必ず暖かい」と順位を付けることはできません。

LA・PITAは、AIR GOLONについて、身体と床の間に空気の層を作ることで冷たい床への対策になると案内しています。キングジムは、BMT100-KHが厚さ5cmまで膨らみ、床からの振動や冷えを軽減すると案内しています。CAPTAIN STAGも、M-3318について、発泡ポリエチレン・EVA樹脂と波型構造による保温性・クッション性を案内しています。

一方、今回見たメーカー公式情報には、3つのマットを同じ条件で比較できるR値などの共通した断熱性能指標がありません。

そのため、防災用としては「厚い順=暖かい順」と決めず、メーカーが示す用途や構造を読んだうえで、厚さは床との距離やクッション性を考える一つの仕様として扱います。

「エア式は破れやすい」と決めつけず、空気が必要な構造かを見る

エアマットを検討していると、「穴が開いたら使えないのでは」と気になるかもしれません。

ただ、今回見たメーカー公式情報には、3マットを同じ条件で比較した耐パンク性能や、何回使えるかを順位付けできる共通の耐久性試験結果がありません。LA・PITAはAIR GOLONを繰り返し使用できると案内していますが、それを根拠に、他の方式より耐久性が高い・低いとは比べられません。

防災用として客観的に確認できる違いは、使用時の厚みが空気に依存するかどうかです。

LA・PITAのAIR GOLONは、空気を吹き込んで5cmに膨らませます。キングジムのBMT100-KHは、内部のポリウレタンフォームとバルブを使って自動で膨らむ構造です。CAPTAIN STAGのM-3318は発泡素材のフォームマットで、空気を入れる工程がありません。

「どれが壊れにくいか」を推測するよりも、空気を入れる用品や作業が必要か、広げるだけで使いたいか、という違いで選ぶほうが判断しやすくなります。

個人用マットと避難所の段ボールベッドは別の備えとして考える

個人でマットを用意していても、避難所で段ボールベッドなどが使える場合に「自分のマットがあるから不要」と考える必要はありません。

内閣府は、床に長期間横たわることによる健康への影響を踏まえ、避難所で段ボールベッドなどの簡易ベッドを導入することを案内しています。内閣府「避難所開設当初からパーティション・段ボールベッド等の簡易ベッドの迅速な設置について」でも、避難所開設当初からパーティションや段ボールベッド等の簡易ベッドを迅速に設置することを求めています。

個人用マットは、床に直接寝る状況に備えて自分で持てる選択肢です。避難所側で寝床や支援物資が提供される場合は、その案内に従い、手元のマットと組み合わせて使えるかを見ます。

マット、簡易ベッド、毛布や寝袋は、役割が同じではありません。床側の対策と、身体を覆う寝具を分けて考えると、何が足りないのかを整理しやすくなります。

冬の停電時に、床側だけでなく体を覆う物や寝具まで含めて防寒全体を見直したい場合は、別の記事「冬の停電で暖房が使えないとき何を備える?電気を使わない防寒グッズを比較」で、役割ごとの備えを整理しています。

まとめ|小さく運ぶか、設営を減らすか、広げるだけにするかで選ぶ

避難所用のマットは、厚さの数字だけでは決められません。

非常持ち出し袋の中へできるだけ小さく収めたいなら、パッケージが小さいLA・PITAのAIR GOLONが候補です。空気を吹き込む作業を避けつつ厚さ5cmのマットを使いたいなら、自動膨張するキングジムのBMT100-KHがあります。空気入れそのものを使わず、広げて敷く方法を優先するなら、CAPTAIN STAGのM-3318のような折りたたみフォーム式が候補になります。

その代わり、コンパクトなエア式には膨らませる工程があり、自動膨張式には収納サイズと重量があり、フォーム式には折りたたんでも残る大きさがあります。

どこに保管し、どう持ち出し、避難先でどう広げるかまで決めておくことが、自分に合う防災マットを選ぶ基準になります。

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この記事を書いた人

防災用品を、住まい・人数・困りごと・予算などの条件から比較しています。官公庁・メーカー公式情報などの一次情報を重視しています。

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