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防災用カセットコンロはどう選ぶ?薄型・風防付き・小型モデルを比較

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防災用カセットこんろは、「防災用」という表示だけで決めず、どこで使うか・どこに収納するか・どの大きさの鍋を使うかで選びます。

停電やガス停止に備えるなら、まず自宅で想定する使い方を決めてから、こんろのタイプを絞ります。日常兼用と薄さを重視するなら薄型、風の影響も考えるなら風防付き、1~2人分と収納を優先するなら小型が候補です。岩谷産業の現行3モデルを並べて、選び分けの目安を整理します。

目次

防災用カセットこんろは「使う場所・収納・鍋サイズ」で選ぶ

「防災用」「防災向け」という表示だけで決めず、確認する項目を先に決めるほうが迷いません。見るのは次の3つです。

  • 使う場所:屋内中心か、風の影響を受けやすい場所でも使う可能性があるか
  • 収納場所:出し入れしやすい場所に置けるか、どこまで小さくしまいたいか
  • 鍋・火力:いつも使う鍋がのるか、最大発熱量はどのくらいか

普段の卓上用こんろがある家庭なら、それを防災でも使う前提で、この3点に当てはめて確認します。用途からこんろを選ぶ考え方は、岩谷産業「カセットこんろの選び方」にも載っています。

燃料の量は、こんろ選びとは別に決めます。人数と日数から必要な本数を出す方法は、カセットボンベの必要本数の記事にまとめています。

薄型・風防付き・小型の3タイプは何が違う?

岩谷産業には「防災備蓄にも最適」と案内される機種もありますが、今回の3台はその公式分類ではありません。薄型・風防付き・小型も、メーカーの正式な分類ではなく、この記事で選び方を整理するための3つの代表的な特徴です。風に強い屋内外兼用モデルを探す場合は、防災備蓄向けの機種も比べます。

表で見るのは、サイズ・重量・最大発熱量・使える鍋・風防と付属ケースの5点です。価格は変わりやすいため、表には入れていません。

モデルタイプ本体サイズ重量最大発熱量使える鍋風防・付属ケース主な向き方
カセットフー “スリム”薄型328×275×84mm約1.3kg3.3kW目安として9号土鍋まで風防の記載なし/専用ハードケース別売日常兼用と薄さを重視し、9号土鍋まで使いたい家庭
カセットフー “ウィンドシールド”風防付き334×274×93mm約1.4kg(ケース収納時約2.2kg)3.5kW目安として9号土鍋まで風防構造・専用ハードケース付き風の影響を受けやすい場所も想定する家庭。使用環境によっては効果が得られない場合あり
カセットフー “ミニ”小型279×185×85mm約1.0kg1.86kW鍋上面内径20cmまで(小さい鍋は11cm以上)風防・付属ケースの記載なし1~2人分で、収納スペースを小さくしたい家庭

表から読み取れる違いは3つあります。

1つ目は、薄さと軽さは別の話だということです。スリムは高さが低いのが特徴ですが、重さは約1.3kgで、ミニの約1.0kgより重くなります。

2つ目は、ミニは火力と鍋の大きさの上限がどちらも小さいということです。最大発熱量は3台の中でいちばん小さく、使える鍋も上面の内径が決まっています。

3つ目は、風防構造と専用ハードケースの扱いです。今回の3台のうち、メーカー公式ページで風防構造が明記されているのはウィンドシールドです。専用ハードケースが標準付属するのもウィンドシールドです。スリムには別売の公式ハードケースがあります。ただし、風防は風の影響への対応で、使える場所の安全条件とは別に考えます。

最大発熱量が高いほど災害時に必ず有利、とは限りません。連続燃焼時間もメーカーの試験条件での実測値です。数字は選ぶ材料の1つとして、次の使い方の条件に合わせて読みます。

薄型・風防付き・小型の3タイプを、日常兼用と薄さ重視・風の影響も考える・1~2人と収納優先の使い方で選び分ける図解

使い方に近いタイプはどれ?3台の向き不向き

共通する注意は後の項目にまとめます。各モデルは、固有の選び方だけを見ていきます。

日常兼用と薄さを重視するなら薄型|カセットフー “スリム”

普段の食卓でも使い、停電時もそのまま家庭内で調理や湯沸かしに使う想定で、卓上での薄さと、9号土鍋までの鍋サイズを重視するなら、薄型モデルが候補になります。

屋内で使うから、という理由だけでスリムに決まるわけではありません。屋内だけで使うなら、ミニも候補です。薄さと、9号土鍋までの鍋サイズが必要かどうかで選びます。

「薄い」には2つの数字があります。本体全体の高さは84mm、テーブル面からごとくトップまでの高さは74mmです。74mmは本体の高さではなく、鍋をのせる位置までの高さです。座ったままでも鍋の中が見やすく、取り分けやすい形状だと、メーカーは案内しています。

最大発熱量は3.3kW、使える鍋は目安として9号土鍋までです。仕様は、岩谷産業「カセットフー “スリム”」で確認できます。

選ぶ理由は、日常の食卓と防災を1台で兼ねやすいことです。一方で、風防構造の記載はありません。専用ハードケースは付属せず、別売です。別売の岩谷産業「イワタニカセットフー専用ハードケース」(CB-CF-CASE)は、達人スリムシリーズの全機種で使用可能とされ、適合機種にスリムが含まれています。ケースに入れて保管したい場合は、別に買い足すことになります。風の影響を受けやすい場所も想定するなら、風防付きのタイプも比べます。

風の影響を考えるなら風防付き|カセットフー “ウィンドシールド”

風の影響を受けやすい場所で使う可能性まで考えるなら、風防付きが比較候補になります。

メーカーは、本体の風防構造が風による炎の揺らぎを抑え、屋外や風の影響を受けやすい場所でも安定した火力を維持する、と案内しています。ただし、使用環境によっては効果が得られない場合がある、という注意書きもあります。風防構造があることと、安全に使用できる場所の条件は別です。風防があっても、どこでも安心して使えるわけではありません。

最大発熱量は3.5kWで、3台の中でいちばん大きい数字です。連続燃焼時間は約78分(メーカーの試験条件)、本体は約1.4kgです。仕様は、岩谷産業「カセットフー “ウィンドシールド”」で確認できます。公式ページには「販売ルート限定商品」と表示されているため、購入できる店舗は事前に確認します。

専用ハードケースが付くので、保管や持ち運びをまとめやすいのが選ぶ理由です。ケースに入れると約2.2kgになるため、しまう場所と持ち運びの負担も先に確認します。

収納を小さくしたいなら小型|カセットフー “ミニ”

1~2人分を想定し、収納スペースをできるだけ小さくしたいなら、小型が候補です。

本体は約1.0kgで、幅と奥行きはスリムより小さくなっています。メーカーは「1~2人の使用に最適」なミニサイズと案内しています。使えるガスは、イワタニカセットガスと、小さめのイワタニカセットガスジュニアです。イワタニカセットガスパワーゴールドは使えません。

連続燃焼時間は、ジュニア使用時で約56分、イワタニカセットガス使用時で約112分です(メーカーの試験条件)。使える鍋は、鍋の上面の内径が直径20cmまでで、小さい鍋は直径11cm以上です。仕様は、岩谷産業「カセットフー “ミニ”」で確認できます。

小さいから防災向き、とも、小さいから力不足、とも決められません。収納しやすさを優先する代わりに、最大発熱量1.86kWと、使える鍋の条件を確認するモデルです。使う鍋がのるかに加えて、最大発熱量がスリムやウィンドシールドより小さいことも確認したうえで、収納性を優先するか判断します。

風防付きでも、テント内・車内では使わない

使う場所は、次のように分けて考えます。

  • 屋内:取扱説明書に従い、周囲に燃えやすいものがない場所で使います
  • 風の影響を受けやすい場所:風防付きが比較候補です。効果は使用環境しだいです
  • 屋外:場所を問わず安全、という意味ではありません
  • テント内・車内:使いません
  • 周囲に可燃物がある狭い場所:使いません

3台とも、岩谷産業の公式ページで、テント内・車内では絶対に使用しないよう表記されています。NITE「製品安全情報マガジン Vol.448『地震に伴う製品事故』」は、避難先のテント内や車内など狭い場所でカセットこんろを使わないよう注意しています。周囲の可燃物に着火するおそれや、不完全燃焼による一酸化炭素中毒のおそれがあるためです。

風防付きは、風による炎の揺らぎへの対応です。テント内や車内のような狭い場所で使えるようにする機能ではありません。ベランダや玄関前など、具体的な場所が使えるかどうかは、住まいの状況と取扱説明書で確認してください。

防災で見落としやすいのは「使える鍋の大きさ」

こんろ選びで見落としやすいのが、鍋の大きさです。スリムとウィンドシールドは目安として9号土鍋まで、ミニは鍋の上面の内径が直径20cmまでと、3台で条件が違います。

家族で9号程度の土鍋を使う予定なら、ミニの収納性だけで決めず、対応する鍋サイズまで確認します。

同じVol.448では、避難所などで大人数分を一度に調理しようとして、大きな鍋や鉄板でこんろ全体を覆ったり、2台以上並べたりしないよう注意しています。カセットボンベが過熱され、破裂するおそれがあるためです。NITE「携帯発電機・カセットこんろ・モバイルバッテリーの使用にご注意ください」も、大きな調理器具をのせたり、こんろを2台以上並べたりしないこと、カセットボンベをこんろ本体へ正しく装着することを呼びかけています。

人数が多い家庭でも、大きな鍋を1つのせたり、こんろを2台並べたりして対応しません。こんろに合う鍋で、調理を分けて考えます。

普段の9号土鍋を停電時にも使うつもりなら?

たとえば、家族で普段使っている9号土鍋を、停電時にも湯沸かしや調理に使うつもりだとします。収納しやすさだけを見てミニを選ぶと、購入後に「この鍋は使える条件に入っていなかった」と気づく可能性があります。

スリムとウィンドシールドは目安として9号土鍋までですが、ミニは鍋上面の内径20cmまでです。いつもの鍋を非常時にも使いたいなら、こんろを選ぶ前にその鍋のサイズと候補機種の条件を照らし合わせます。

購入後は、明るいうちに火をつけずに一度のせてみます。鍋がこんろ全体を覆っていないかまで確認しておけば、停電してから初めて「この鍋、使える?」と迷う状況を避けやすくなります。

しまったままのカセットこんろは製造年月も確認する

備蓄用にしまっていたこんろは、使う前に製造年月を確認します。

カセットこんろには、ガス漏れを防ぐゴム部品が使われています。JGKA「カセットこんろとカセットボンベは経年劣化します」では、使っていなくても劣化は進むとして、製造後約10年以上が経過したら買い替えの検討をお願いしています。製造後約10年が買い替え検討の目安で、10年で必ず使えなくなる、という意味ではありません。

製造年月は、本体側面の定格銘板のシールで確認します。西暦の下2桁と月の2桁で書かれていて、「13.04」なら2013年4月製造です。

NITEでも、災害時の備品として前から準備していた古いこんろは、ボンベを付けた状態で、接続部から異音や異臭がないかを使う前に確認するよう案内しています。異音や異臭があれば、点火せずに使用を中止し、換気します。NITEでは、長期間保管していたカセットこんろで、ゴム部品の劣化によるガス漏れ事故も紹介されています。

まとめ|防災用カセットこんろは「使う場所」からタイプを決める

  • 日常兼用と薄さを重視し、9号土鍋までの鍋を使う:薄型のスリムが候補です
  • 風の影響を受けやすい場所も想定する:風防付きのウィンドシールドが候補です。ただし、使う場所の注意は変わりません
  • 1~2人分で、収納を小さくしたい:小型のミニが候補です。鍋サイズと最大発熱量を先に確認します

どのタイプでも、鍋がのるかと製造年月の確認は欠かせません。どこで使うか、どこにしまうか、どの鍋を使うかを先に決めてから、タイプを選びます。

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この記事を書いた人

防災用品を、住まい・人数・困りごと・予算などの条件から比較しています。官公庁・メーカー公式情報などの一次情報を重視しています。

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